第一弾「SF・ロボットアニメ部門」 第一弾「SF・ロボットアニメ部門」

 Project ANIMA第一弾「SF・ロボットアニメ部門」は、数千にのぼる応募作の中から、DeNAの編集者・プロデューサーによる一次審査、DeNA・創通・文化放送・MBSの四社およびアニメ制作を担うサテライトの現場プロデューサーによる二次審査、監督らを交えた最終審査を経て、この度受賞作品を決定しました。

 厳正なる審査の結果、募集開始時に打ち出していた「アニメーションに新しいジャンルを作り出すような、オリジナリティあふれるアイデア」に該当するものはなかったとの意見が出され、大賞作品は該当なし。準大賞作品として、入選作品の中から、最も評価の高かった戌井猫太郎さんの『削岩ラビリンスマーカー』を選出しました。同作をアニメ化対象作品とし、2020年の放映を目指して制作を開始します。

アニメ化対象作品 準大賞削岩ラビリンスマーカー戌井猫太郎(ロール)
様々な世界を渡り歩く冒険のワクワク感など更に展開出来そうで、伸びしろを含めて選ばせていただきました。 様々な世界を渡り歩く冒険のワクワク感など更に展開出来そうで、伸びしろを含めて選ばせていただきました。

好奇心旺盛な幼い娘と、人間味溢れる若い父親。ロボット系のアニメではあまり見られない主人公達の設定がまずはとても魅力的でした。
様々なバリエーションに富んだ地下世界は、その迷宮を地図化していくマーカーという職業も含め映像化したときに映える世界観だと感じました。AI化や自動運転技術が進み、有人型戦闘ロボットが説得力を持ちにくくなっているこの時代においても、作業用ロボットが自然に受け入れられる舞台な点も良かったと思います。他の登場人物たちも個性豊かで、テレビシリーズ化、そしてゲーム化など様々な発展性があることも選定の理由です。
マーカーや地図の活かし方、全体の結末などまだ少し弱いところがあるとも思いましたが、様々な世界を渡り歩く冒険のワクワク感など更に展開出来そうで、伸びしろを含めて選ばせていただきました。

河森正治氏 (株式会社サテライト アニメーション監督/メカニックデザイナー)

入選作発表

小説・脚本選考

金賞
Robotech Touchdown ーロボテックタッチダウンー芳川見浪
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あらすじ

テックボール、それはラガーマシンと呼ばれる巨大ロボ、それを使って行われるアメフトやラグビーに似た競技。右足不随の少年、上原宇佐美はふらっと立ち寄ったテックボール展覧会で、とあるラガーマシンに出会う。

選評

スポーツ×メカの組み合わせの中でもIPとしての可能性を感じる設定で、躍動感ある描写と文章力で惹きつけられるものがありました。スポーツジャンルとして完結させるもよし、舞台を戦場に移してバトルモノとして作品構築することも考えられ、様々な展開が期待できる作品だと思います。グローバルを見据えて作り込めばもっと輝く、そんな期待感があります。

銀賞
坂本龍馬と可能世界のドール・パンクZn_Fall
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あらすじ

時は幕末。日本の未来を憂えた土佐の浪人、坂本龍馬はこれからは『ドール』こそが世界を支配していくといち早く気づいていた。ドール技術で有名な『ムー大陸』に渡ったこともあると言う男、勝海舟の元へ弟子入りするため江戸へと向かった龍馬に、可能世界を渡り歩き世界を延命させる組織『延命同盟』が立ちふさがる。

選評

めちゃくちゃに破天荒にもかかわらず、ギリギリのバランスで物語が組み立てられています。坂本龍馬、勝海舟、ニコラ・テスラ、キング牧師と様々な歴史上のキャラクターが華々しく登場。可能世界を渡り歩き人類が滅亡する運命を阻止する「延命同盟」の存在、その本拠地『るるいえ』ととにかく要素が多いのですが、勢いが良くそれを感じさせません。キャラクターを一セリフ、一描写で立たせる技術が見事で、このままゲームで遊びたいと思わせるほど。

佳作
まひるのキャスケットスズキマキ
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あらすじ

超高齢化社会が限界に進み、墓地不足が深刻化した近未来の日本。墓埋法改正に伴い葬祭業は極端な効率化が進み、死後格差が拡大している。富裕層には宇宙葬が普及しつつあった。

選評

墓地不足となった日本、亡くなった姉を宇宙で弔うために姉のAIと共にレースに出場するヒロイン。姉妹がコミカルなやり取りをしながらともに宇宙船で飛び立つ絵に映像的な気持ちよさがありそうで、この作品をアニメで見てみたい、と強く思わせられました。シーンとシーンのつなぎ方、流れが非常に巧みです。バディものとしても期待が持てる作品です。

佳作
天の標のAIへマジで本気な口づけを大森アロイ
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あらすじ

16歳の夏だった。学校指定の作業服に身を包んだ俺は、エレベーターの籠に乗って、超巨大ロボットの故障個所へと向かっていた。ラームと呼ばれるロボットの上体を見上げ、俺は首を傾げた。馬鹿でけえな、ほんと。この旧ソ連製ロボットは、軌道エレベーターを建造した冷戦時代の遺産だ。

選評

小笠原諸島を舞台にした海上戦には華があり、今回の応募作の中で最もロケーションの切り方が巧い作品だと思いました。旧ソ連製ロボから三角関係ハーレム百合まで盛り込んだサービス精神あふれる作品ですが、独自の世界観があり不思議と破綻していません。女王陛下などのキャラクターも◎。

佳作
Color Variation殻半ひよこ
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あらすじ

あらゆる生命が死に絶える正体不明の現象の発生と拡大は人類の繁栄期を終わらせ、宇宙、人工の新天地へと追い遣った。物語は、生還率ゼロの任務を三日後に控えた、人間/〔色兵―彩〕/十五歳の少女、倉橋朗の顛末を、機械/〔色兵―描〕/異形の遺産(エイトフットファイブアーム)、KIIの視点で追う。

選評

モチーフである「色」を設定・世界観・タイトルの細部にしっかりと反映させることで全体イメージの統一に成功しています。本プロジェクトのお手本ともいえる非常に完成度の高い作品と言えるでしょう。画的にも映えるバトルシーンがしっかりと描かれており、アニメ化の観点でも申し分ない出来。中二病っぽい設定をそう見せないセンスに光るものを感じます。

佳作
削岩ラビリンスマーカー戌井猫太郎(ロール)
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あらすじ

西暦から数えて遥か未来。人類は地中深い地下世界「ラビリンス」に押し込まれ、肩を寄せ合って生きていた。地下世界ラビリンス内には人々が住むコロニーがいくつもあり、気温が極端に高かったり、金銀財宝が湧き出ていたり、巨大な遺跡群が立ち並んでいたり、と極端な特徴を持っていた。

選評

コロニーごとに極端に特徴の違う地下世界、ラビリンスの地図を作っていくマーカーという職業、ともに魅力度満点で作者のこだわりを感じました。とぼけたネーミングセンスには児童向けファンタジーの趣がありますが、世界観は意外にハードコアというバランスもおもしろいです。正面から「王道」を書こう、という気概を感じる作品です。

佳作
エレクトリカル・デイドリーム福本士富
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あらすじ

電脳世界、そこでは接続時間がものを言う。物心つかない頃から電脳世界に監禁された少女、救出された時には無敵のスキルを持っていた。しかし当人は自分を10才男児だと思っている。「ここはニセモノの世界。クエストをクリアして元の世界に戻るぞ!」

選評

重い設定ですが悲壮的でないため非常に読みやすく、仮想現実が確かな肉感を持っており、壮大な設定に溺れることなく等身大の登場人物たちを生き生きと描けているところを評価しました。接続時間の長さによる主人公のチート的スキル、電脳世界に一切触れたことのないクラスメイトなどの各要素も魅力的で、物語のテーマを更に掘り下げる役目も果たしています。

佳作
8分間のパピリオ横田コネクタ
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あらすじ

“ソレウス構造体”という血管内に寄生する謎の有機構造体に、人類はその尊厳を脅かされていた。蒲生里大学「ソレウス・キラー操縦研究会」のメンバーは、20マイクロメートルのマイクロマシーンを操りソレウス構造体を倒すことに青春を捧げるーー。

選評

非常に端正な文章で惹き込まれました。“ソレウス構造体”なる人体を脅かす有機構造体に挑む主人公たち。極小の病原と身体性のある戦いを繰り広げるアイデア、それを部活もので展開するポップさのバランスが素晴らしいです。主人公の心情がとても丁寧に描かれていて共感を持って読み進めることができます。アニメというよりは文章で味わいたい物語でした。

佳作
ぬくもりのユートピア皇海宮乃
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あらすじ

火山大国でありながら、その多くが国定公園内にある為、「自然公園法」により、推進が進まない地熱発電。「温泉」「自然」を守りつつ、「開発」を行う為、観光庁とエネルギー庁が協力する事になり……。

選評

日常感のあるやり取りとリアルな人物描写で突飛な設定の中に没入感をうまく作り出している作品です。「三食昼寝付き、個室寮有り、特殊技能、資格不要!ただし、六十歳以上」というキャッチーなプロローグと、そこから続く小気味良い展開から、構成のセンスと文章力の高さが垣間見えます。シンプルに「続きが読みたい!」そう思わせる良作です。

佳作
脳圧臨界ーニューロダウンー娑婆聖堂
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あらすじ

ある日突然、脳獣が現れた。奴らは人の脳から生まれ、生みの親を食い殺す。そして生んだ者にしか認識出来ない。神野定(かみや さだめ)は他人の脳獣が見える自らの能力を隠しながら生きてきた。そんなある日、高校に転入生が訪れる。……。

選評

深夜のコンビニ。主人公がやってきて、ビニール傘を買うような気軽さで「量産型の日本刀」を購う冒頭は、数多ある応募作の中でも出色の出来でした。アクションものでありながら地の文に情緒がこもっている点も評価できます。「脳獣」の設定も魅力的なので、ぜひ完結まで書き進めてほしいです。

マンガ選考

金賞
メカバレ一文字蛍
あらすじ

2023年・バレンタインデーの小田原。少女は10年の想いを込めた手作りカマボコで蛮勇ふるって少年に告白。ふたりの心は結ばれた。その瞬間、成層圏から降り来た珪素生命体・メカ怪獣。少年は落命し、少女も瀕死の重傷を負う。

選評

情念がほとばしるような感情の演出が、カメラワーク含めて秀逸でした。「メカバレ」のコンセプトは非常に現代的ですが、作品の核心の部分にはクラシックな劇作の感性を感じます。感情がフラットな状況でのキャラクターの行動をもう少し納得感があるように見せることができれば、作品全体としてのバランスが取れてなおよかったように思います。

銀賞
WONDER PLANETultramarine
あらすじ

片田舎の海辺の町に住む、高校生のミユの相談にのり、海辺に来た幼馴染で大学生のナオは、そこで人語を解す奇妙なユリカモメと出会う。ユリカモメは自らをギリシャ神話の女神ディオネと名乗る。得体のしれないディオネはこの星を見守っているのだという。

選評

ものすごく非日常なことが起きているのに、あくまでも日常の延長線上にある世界として描けている筆致に強い作家性を感じます。その「日常系SF」の語り口の中で描写されるからか、「ツール」の機能/能力についても自分の感覚として想像しやすい部分が多く、ワクワクさせられました。縦スクロールではなく、横開きのマンガの形式で描かれたときにどうなるかを見てみたい作品です。

佳作
サインハザード庄司創
あらすじ

AI技術により飛躍的に発展した2031年の世界。しかし突如5ミリ大のドローン群が襲い、15分間で世界の80億人が死亡した。通信しあうそのドローン群は瞬時に世界的ネットワークを形成し、なおも人間の殲滅を続ける。

選評

強いオリジナリティを持たせながら細部まで作り込まれた各種設定は応募されたすべての作品の中でも随一でした。「AIチェッカー」「UD」「世界滅亡準備者」いずれも魅惑的なアイディアです。「ピタゴラスイッチのようにピタッと上手くいく」アクションシーンのコンセプトも素晴らしいです。AI「ティベル」の動作の鍵となる「メンタルヘルス」の要素は、物語全体の行き先を左右する部分であるわりに白黒/優劣/勝敗が読者には直感的には分からないため、マンガとしての表現を成功させることのハードルが高いように感じました。

佳作
幻海のスティングレイ桑山純平
あらすじ

ある日、真人は巷で流行っている一風変わった体感型アーケードゲーム「STINGRAYスティングレイ」をゲームセンターでプレイしている最中に、二機の未確認戦闘機の戦いに巻き込まれる。そこで真人が目にしたものは、コクピットから現れた深雪の姿だった。

選評

画力は高い水準で安定しています。特に人物の表情は、感情が豊かでとてもよかったと感じました。「隠されてきた真実」の設定もスリリングで、SF作品の導入として望ましいドライブ感が出せていると思います。ストーリーの展開にはやや既視感がありました。安心感の裏返しでもありますが、どこかに本作「ならでは」の起伏が入れられるとよかったかもしれません。

佳作
レーゾンデートルミヤワキ ダン
あらすじ

西暦2055年。地球にネビアと名乗る異星人が襲来した。地球の資源回収が目的の彼等に地球軍は必死の抵抗を試みるが、圧倒的なテクノロジーの差に世界中が萎縮。ネビアの提案を受け、日本列島を明け渡すことに各国代表が同意。日本は見捨てられ、現在も滅亡へ向かっている。

選評

国際情勢を絡めたハードな舞台設定に挑んだことは評価できます。日本が「回収」の対象として選ばれた理由など、設定の補足が必要な点がいくつかあることも事実ですが、絶望的な状況の中での人間同士の対立という構図は狙い通りに構築できていると思います。ひとつの話の中にいくつかの視点が混在していることは気になりました。主人公から見えている情報を手がかりに世界の状況を説明していく形で整理できると、なおよくなると思います。

佳作
dawn!!(ドーン!!)三橋ユウ
あらすじ

2030年、先進国を中心に自律式人型兵器”アルファノイド”を実用化、大量生産を開始した。2042年、アルファノイドに命を狙われる”橘マユラ”と、マユラをマスターとする、自爆しか能のないオメガノイド”爆弾”は、廃棄処理班に協力しつつ、周囲に現れるアルファノイドを撃退する日々を送る。

選評

「アルファノイド」の設定には今の現実世界の延長線上にあり得る(かもしれない)という意味でのリアリティがあり、地に足の着いた舞台設定を描けているように感じました。一方、主人公が発現させる「オメガノイド」の能力は、舞台設定のリアルさに比べるとややファンタジックな方向に寄っているように見えたため、作品としての軸足がどちらにあるのかが見えづらくなっていた点は残念でした。

企画書
その他選考

金賞
奴隷解放ビースレイブ山口準基
企画書
あらすじ

「上京する」それは大多数の若者が唯一持てる人生の選択。このまま田舎にいるのか、それとも霧の中に飛び込むように上京という道を選ぶのか、人生の巨大な分岐点。ロボットが戦う舞台は、山口、広島、姫路、豊橋、三島、そして終点東京へ。かつてない、日本の地方を転戦しながら状況するロボットアニメ。

選評

「敵を鹵獲してメカにする」という設定は作品の核として非常に納得感があり、非戦闘用のメカデザインもとてもユニークです。メカを列車に乗せて上京しながら戦うのも、どこか哀愁を感じさせ、グッと心を掴む良い画だと感じました。メカのバリエーションも増やしやすく、可能性を感じる企画です。

銀賞
真昼のイスティーム青木はる
企画書
あらすじ

18歳の誕生日。宇宙から巨大ロボットがやってきた。人類を殺戮して、視聴率を集めるネット番組の収録のために。政府は敵の巨大ロボット「イスティーム」を鹵獲し、反撃に打って出る。イスティームは「いいね!」がなければ動けないロボットだった。自衛隊は各地からインフルエンサーを招集する。

選評

SNSを題材にした応募作はたくさんありましたが、それを「青少年向けロボットアニメ」でやる必然性を作者がしっかり自覚しており、設定および物語に落とし込んでいる点に好感が持てました。型破りなキャラクターたちも魅力的ですが、ラストの展開はやや意外性が弱く、それまでの流れにオリジナリティがあるだけに残念に感じられました。

佳作
ケルベロスのトリュフヨル´
企画書
あらすじ

舞台は戦後直後のワシントンハイツ地下空間から全ての病/エネルギー/食料問題を解決する植物〝ヘカテ〟が発掘されてから70年が経ったパラレルワールドの2020年東京。そこはヘカテによって初期対応を行う病院しかなく、車から排気ガスも出ず、ホームレスも存在しないユートピアとなっているが、人々は現状に慣れ過ぎて現実世界の人々と表情に変わりがない。

選評

ダークで重厚な独特の雰囲気を持つ作品。さまざまな問題を一挙に解決する植物「ヘカテ」という突飛な設定にも説得力を持たせるネーミングや背景にただならないセンスを感じました。少ない文字数の中にギュッと密度濃く物語が詰まっていますが、キャラクターの魅力がもっと増せばさらに良くなると思います。

佳作
維新兵団サムラマキナ吉村純
企画書
あらすじ

西暦1863(文久3)年。史実より200年早い産業革命が英国で発生。超強大な文明を持つ「ユーラシア帝国」が誕生し、数年で全世界は屈服。最後の征服地として狙われていた日本は「ペリー提督」の江戸湾侵攻に対して、維新志士達+幕臣+新撰組オールスターで立ち向かうのであった。

選評

歴史×メカ作品の中でも細部までシッカリと作り込まれていて、エンタメとして様々な展開が期待できます。実在の人物や史実をベースにしている分、今後のストーリーラインや登場キャラクターなども作り込みやすく、企画書としては申し分のないものに仕上がっていると感じました。ゲーム・アニメどちらにも展開できる非常に魅力的な企画だと思います。

佳作
ROCKADOOM藤鍵
企画書
あらすじ

地球を襲った『エルビス彗星』によりポップな存在は死滅。物質的にも精神的にも社会の構造は書き換えられ、音楽性を中心に回り始めた新たな世界。方向性に思い悩むロックバンド『シェリー・ハルドッグ』のボーカル・米井ヒロスケは、ギタリストのアンベと2人で各地のコロニーを周り、自分達の方向性を模索していく。

選評

ロックバンドをモチーフに、ポップな存在が死滅した世界を描く「ポップ・アポカリプティックドラマ」という新ジャンルを生み出すほど、とにかく勢いが凄い!突飛な設定を勢いと熱量が上回るダイナミックさたるや。エンターテイメントの真髄を感じさせるエモい作品です。各話のエピソードをもっと詳細に読みたくなりました。

佳作
ハグルマのイチ風見緑哉
企画書
あらすじ

「ハグルマ」と呼ばれる高度な知性と感情を持った生物が数多く住んでいる星が舞台。ハグルマのひとつである主人公イチは、与えられた仕事に満足しながらもどこか退屈を感じていた。そんなとき、イチの所属する左後脚部署の先輩でイチ自身も尊敬しているリーダー・ユヲの将来の夢を知る。

選評

スタンダードな自分探しの物語でありながら、高度知的生命体「ハグルマ」が織り成す世界観には独自の魅力が宿っています。キャラ設定がシンプルであるが故に感情移入もしやすく、丁寧に作り込まれた起承転結にも好感が持てました。幻想的な3DCGでゲームにしてもおもしろそうな作品です。

佳作
ハイオーバーラビス・タタン菊川貫
企画書
あらすじ

西暦2118年。突如、月の直径よりも大きい超大型ロボットが宇宙空間に出現する。内部は迷路のように複雑に入り込んでおり、生命体の存在は確認されないにも拘らず人類の生存に適した環境であることが判明する。

選評

「ロボットもの」を構想するという課題に対して、「月よりも大きい、超巨大人型ロボ(中は人類が生活するのに適した環境の迷宮)」を発想したセンスにまずは拍手を送りたいです。「世界の謎」や「ロボの謎」をフックに物語を進める企画はいくつかありましたが、その二つを両立することで抜群のオリジナリティを獲得しています。

佳作
バディとブレイン大谷えいち
企画書
あらすじ

灯台学園は、博士の卵を育てる科学者の学校。努力が空回りしていつも失敗ばかりの主人公・ヒロミは、憧れのブレイン博士の娘メルティ・ブレインと出会う。二人は開かずの格納庫で、コアにパイロットを取り込む事で分裂して様々な生物に変形する生物搭乗機「セルネモ」を見つける。

選評

「この回が抜けたら話が分からないという難しい作品にせず、『女の子が乗った機体が生き物に変身して戦う』これだけ分かれば物語を楽しめる構成を目指します」という力強い宣言から始まる企画書に引き込まれました。失敗ばかりだけどまっすぐな主人公と知性派の相方、親から授かった機体などのテンプレ設定を「見てみたい」と思わせる説得力があります。

佳作
贖宥のゲヘナ近衛祐
イラスト
あらすじ

天国と地獄の間にある辺獄の地ゲヘナ。そこでは罪を免れる代わりに、地獄から溢れ出る亡者から天国への門を守る「免罪騎士」と呼ばれる騎士たちが居た。犯した罪が赦される日まで、彼らは巨大な聖人像「神託機械」を駆り、戦い続ける。

選評

ゴシックな世界観にフィットする「神託機械」のデザインが素晴らしいです。メカとしての造形のバリエーションも十分であり、アニメーションとして動く際の見せ方についても想像が膨らみました。

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